20歳代後半から30歳代にかけて著明になり、前頭部や頭頂部よりはじまる脱毛です。進行すれば後頭、側頭のみを残して脱毛していきます。日本人男性の発症頻度は約30%といわれています。男性ホルモンが毛包に働き毛周期短縮させることで生じます。男性ホルモンのテストステロンは5α-還元酵素の働きにより、さらに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。DHTが前頭部や頭頂部の毛包に作用すると毛を作る細胞の増殖が抑制され成長期が短縮します。
治療は日本皮膚科学会のガイドラインを参考に行います。
・推奨度A 強く勧める
・推奨度B 勧める
・推奨度C1 行ってもよい
Ⅱ型5α-還元酵素を阻害する薬剤です。2年間の継続で68%、3年間の継続で78%の患者さんで軽度改善以上の効果がみられました。
2016年に発売された内服薬です。Ⅰ型とⅡ型5α-還元酵素を阻害する薬剤なのでフェナステリドより若干効果が高いといわれています。
市販の外用薬です。男性の場合は5%外用液を使います。日本皮膚科学会でも推奨されています。初期には休止期脱毛がみられることがありますが外用を中止しないで継続することが必要です。
発毛効果が知られております。日本皮膚科学会でも推奨されています。当院でも機器を使用し治療しています。
0.75%外用液を使用し中等度以上の改善は80%にみられたと報告されています。ミノキシジル外用と同等の効果があるといわれています。
抗真菌薬の外用ですが、発毛効果があることが知られています。
女性では、頭頂部の比較的広い範囲が薄くなり、更年期に多発するようになります。男性ホルモンでは病態が説明できないため、女性型脱毛症と呼ばれています。女性型脱毛症では休止期脱毛、膠原病や甲状腺疾患の伴う脱毛、貧血、過度のダイエット、ホルモン補充療法や薬剤による脱毛などを除外する必要があります。
男性型脱毛症と異なり、効果がある内服薬はありません。以下が推奨されています。
女性の場合は1%外用液を使います。
0.75%外用液を使用し、軽度以上の改善は85%に見られたと報告されています。