『水いぼ』は、ウイルスが原因で生じるできものです。1~5mm程度の白っぽい、あるいは赤みのあるできもので、中央が少し陥凹していることもあります。放置しても自然に治ることがありますが、プールやおふろなどでうつります。かゆくて掻いているとどんどん数が増えてきます。特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎の子供では、『水いぼ』を放置していると数が増えてしまうことがありますので、早めにとってしまうことをお勧めしています。潜伏期が2か月くらいありますので、治療中に新しいものが出てくることもあります。皮膚炎があると掻いてしまい増やしてしまいますので、かゆみを抑える軟膏も同時に使います。
摘除する場合は、麻酔のテープ(麻酔アレルギーの副作用に注意が必要です)をいぼの大きさに合わせて小さく切って貼ります。貼ってから1時間くらいしてから、ピンセットでつまんでとると、痛みが和らいて取れやすくなります。また、入浴時、シャワーを流しながらご家族の方につまんでとってもらうこともあります。
痛みのため治療ができないとき、とられることを嫌がるときなどは、消毒と水いぼを溶かすテープを貼る治療や、他の治療をする場合があります。
ピンセットでつまんでとる以外の治療
① イソジン消毒とスピール膏
いたくない方法でとりたいときには、良い方法です。水いぼを溶かすテープを貼って治療します。自宅で処置が必要です。
② 液体窒素
普通のいぼに対する治療ですが、たくさんあるときにはこの方法が良いこともあります。3~4週間に1回、冷たい液体でいぼを凍らせる治療です。
③ フェノール外用法
皮膚を溶かす液体を塗る治療です。液を塗ると白くなり、皮がむけていきます。痛みはあまりないので、痛みを嫌がる場合には適しています。
④ ヨクイニン内服や漢方薬内服
成分はハトムギです。水いぼに対する免疫反応を起こすといわれています。さらに効果を高めるために漢方薬を併用することもあります。
⑤ 外用薬
難治な場合は、いぼに対する免疫力を高める外用薬を併用することもあります。
『水いぼ』は、幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ることもありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。
プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮き輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。 この疾患のために、学校を休む必要はありません。
プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。