ミラドライ (miraDryⓇ)は、切らずにワキ汗やワキガを治療する医療機器です。ワキの汗や臭いに対する治療としてはボトックス注射や外用薬、そして手術などがありますが、ボトックスは効果が短く何度も受けなければなりません。手術は傷あとが心配、長期間の固定・圧迫が必要などのデメリットも多くあります。ミラドライは“ワキ汗”や“臭い”の原因となる汗腺にマイクロ波を照射し、熱のダメージを与え、ダメージを受けた汗腺は、発汗機能が停止するため、ワキ汗や臭いを抑えることができます。汗も臭いも治療できるのはミラドライだけです。
治療直後から効果を実感することができ、高い効果と長い持続期間が期待できます。
ワキにはエクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺があり、これらが汗ジミやワキガ(ワキのにおい)の原因となります。
ミラドライはこれらの汗腺にマイクロ波を照射し、汗腺を破壊して機能をなくしていきます。わき汗やニオイを抑え半永久的な効果が期待できます。治療後1か月で83.1%の発汗の減少が認められたと報告されています。
ミラドライは国内で唯一のマイクロ波によるワキ汗治療器として薬事承認を取得した医療機器であり、米国のFDA*では腋窩多汗症の他にワキガ(腋臭症)、減毛に対しても承認されています。
*FDA:アメリカ食品医薬品局=日本の厚生労働省に当たる政府機関
*ミラドライは自費診療になります。
手術による治療とは異なり、メスを使わずに治療を行います。傷あとも残りません。
手術での治療の場合は、患部の固定や圧迫などの術後の処置が必要になり、血腫ができるリスクや術後のトラブルがみられることもあります。また、手術での場合は入院が必要になることもあります。
ミラドライは60~80分で治療が終わります。
ミラドライで使用するマイクロ波は水分の多い汗腺のみに反応するよう設計されているため、他の周辺組織や神経を傷つけることがありません。
また、ミラドライの冷却装置で患部を冷やしながら治療をしていきますので熱傷(やけど)などを起こすリスクはありません。
赤みや腫れが起こることもありますが、数週間で消えていきますので安全性の高い治療です。
照射する前に冷却や局所麻酔を行いますので、治療中の痛みはほとんどありません。術後は痛みが出てきますので、痛み止めの内服や患部の冷却が必要になります。
1回の治療で長期間の治療効果が期待できます。
ミラドライで破壊した汗腺は戻らないため、治療を行えば半永久的に効果が期待できます。
何度も通院の必要がなく、大幅な時間の節約になります。
ボトックス注射や内服・外用薬の治療のように治療はいつまでも続くということはありません。
通常1回の治療で効果を感じますが、2回行うことでさらに効果が高まるといわれています。
ミラドライは日本の厚生労働省や米国のFDAが承認している治療方法です。ワキ汗治療機器において、厚生労働省やFDAの両方から認可を得ているのはミラドライだけです。
ミラドライはワキ汗だけでなく、ワキガ(ワキの臭い)にも効果があります。ワキガとワキ汗では汗を分泌する汗腺が異なっていますが、ミラドライは2種類の汗腺を破壊するため、ワキガとワキ汗を同時にに治療することが可能です。
問診と治療の説明を行った後、予約をしていただき治療開始となります。
ベッドに横になって頂き、施術前にワキの広さ(照射範囲)を測定します。
広さが決まったら、インクの転写シートを用いて照射範囲に精密なマーキングを施します。痛みを和らげるため冷却しながら局所に麻酔をしていきます。
患部をミラドライで照射していきます。片脇で約30~45分です。両脇の照射が終わったら、ワキにアイスパックをはさんで冷却します。
冷却が終われば、そのままご帰宅頂けます。
①治療後の副作用として、腫れ、痛み、腋窩周囲の違和感などが現れることがあります。
➁痛みや不快感をとるために、必要に応じて治療後2~3 日は、数時間毎にアイスパックで冷却していただきます。痛みや腫れが顕著な場合は、消炎鎮痛剤を内服します。
③治療後数日間は、多量の飲酒を控えてください。
④治療後数日間は、入浴を控え、シャワー浴にしてください。
⑤感染予防のため、治療部位を1日2回洗浄し、清潔を保ってください。
➅不快感がなくなるまでは、治療部位を擦らないようにし、泡でやさしく洗うようにしてください。
➆不快感がなくなるまでは、シェービング、および制汗剤の使用は控え、治療部位を刺激しないよう、ゆったりとした服装を着用してください。
➇治療後1 週間程度は、治療部位に負担がかかること(運動・重いものを持つなど)を避けてください。
➈治療後数日間は、気圧の変動をうけるような行動(飛行機に乗る、山登りをするなど)を控えてください。
➉治療部位の痛みが取れたら(約7~10 日後より)、少しずつストレッチを行ってください。
⑪大豆アレルギーのかたは施術できません。また、アルコールで皮膚炎になる人は施術できない場合があります。
以下の様な副作用が出る可能性があります。
①治療部位の腫れ 1~8週間 → 経過観察
➁治療部位の疼痛や圧痛 2~3週間 → 消炎鎮痛剤の内服や冷却
③治療部位やその周囲の感覚の変化 1~12週間 → 経過観察
④吸引による赤みや麻酔による皮下出血 数日間 → 経過観察
⑤治療部位の一時的な隆起や硬化 4~6週間 → 経過観察
➅治療部位の硬化 最大で8週間 → 優しいマッサージやストレッチ
➆感染や膿瘍 1~2週間 → 切開排膿・抗菌薬
➇腋窩の小腫瘤 2か月 → 経過観察
➈肘から手の違和感(しびれ、刺激感、脱力など)数か月 → 経過観察
➉熱傷(やけど) 2週間 → 冷却、外用薬
⑪皮膚炎 1週間 → 外用薬
⑫炎症性色素沈着 3か月 → 経過観察、美白クリーム外用