口唇と陰部に小さな水ぶくれが何個もできる疾患です。紫外線やストレスなどの要因が加わると再発を繰り返すことがあります。ひどくなる前に早期に治療すれば症状が軽くて済みます。
初感染の2~10日に症状が出てきますが、初感染では90%は症状が出ません。
口唇ヘルペス
三叉神経節に潜伏したウイルスが、発熱、日光、過労、ストレスを誘引に再発を繰り返します。何度も繰り返す場合にはあらかじめ薬を処方してもらい、症状が出そうな時に飲むと軽くて済みます。4~14日で治癒します。内服をしたほうが早く治り症状も軽く済みます。
性器ヘルペス
性感染症として初感染することが多く、潜伏感染し性器などを中心とする下半身に再発を繰り返します。
初感染では感染後2~10日後に発熱、全身倦怠感、尿道炎、頸管炎、リンパ節の腫張、多数の水ぶくれができます。排尿時痛、歩行障害がおきることがあります。7~10日で治癒しますが、女性では症状が重くなります。
再発型は神経痛様の痛みが先行し、7日前後で治癒します。過労、月経、性交(3~7日後)が誘引になります。定期的に繰り返す人もいます。
治療
症状にあわせて、抗ウイルス薬(バルトレックス®、ファムビル®など)の内服を行います。外用薬も傷や水ぶくれに塗ります。痛みが強い時には痛み止めの内服もします。
接触することでうつりますので注意が必要です。
性器ヘルペス再発抑制
年6回以上再発する場合には、 バルトレックス®をの毎日内服する抑制療法が再発率を有効です。
これらヘルペスに対してなるべく症状が出現してから早いうちに、抗ウイルス薬の内服を行うことが悪化させないためにも重要です。また、ヘルペスは親子間や夫婦間など家族間の感染が多いのが特徴です。頬ずりなどの接触や、タオルの共有は控えてください。また性器ヘルペスの場合は症状が出ているときには性行為により感染のリスクがあります。
①患部に触ったら石鹸できれいに手を洗いましょう。
②タオルやバスタオルは共有しないようにしましょう。洗濯・乾燥によりウイルスは除去できます。お風呂のお湯から感染することはほどんどないといわれています。
③おしりに症状があるときにはウイルスが便座に付くことがありますので、使用後は便座をエタノールで消毒しましょう。
④症状が出ている時には性行為は控えましょう。口唇に出ている時にはキスも控えましょう。症状が出ていないときにはコンドームを使用することで感染のリスクを下げるといわれています。