にきび痕

ざ瘡瘢痕(にきび痕)は治療がとても難しい疾患です。いったん瘢痕になると自然に軽快しないので、にきびができたら早く治療することが最も大切です。にきび痕には、①盛り上がるにきび痕、②陥凹するにきび痕、③赤いにきび痕があります。

治療について

① 盛り上がるにきび痕

ステロイドの局所注射が最も効果的です。1か月毎に局所に注射します。他にトラニラスト(リザベン®)内服やYAGレーザー(自費診療)、手術などを行います。

② 陥凹するにきび痕

陥凹したにきび跡に対する治療は炭酸ガスレーザー、ピコフラクショナルレーザー、シルファームなどの機器での治療の他、凹んだ部分の引きつれを外科的治療であるサブシジョンで解除し薬剤を入れて持ち上げる治療などがあります。フラクショナル炭酸ガスレーザーによる治療は赤みやかさぶたができますので自分に向いている治療か試験照射をして治療を選択していきます。炭酸ガスレーザーよりダウンタイムが少ない治療としてピコフラクショナルがあります。効果はフラクショナル炭酸ガスレーザーよりマイルドですが、浅い陥凹や毛穴の改善には有効です。シルファームは、極細の針を介して皮膚に高周波のエネルギーを直接伝えるマイクロニードルRFといわれる治療機器で、色素沈着のリスクが少なく施術を受けた後に皮膚が元の状態に戻るまでのダウンタイムが短い施術です。

③ 赤いにきび痕

にきびが治った後にいつまでも続く赤みに対してはノ―リスが有効です。ノ―リスは、日本国内で血管病変の光治療器として唯一薬事承認を取得している機器で赤みの治療は特に優れています。特殊な光(波長530~950nm)で複数の色素に反応をおこし、赤ら顔、血管腫、しみやそばかすなどの色素性疾患、毛穴の開き、にきび、小じわなどの肌トラブルを治療します。月1回くらいで3から5回くらい治療します。また、シルファームによる治療もにきびや赤いにきび痕に有効です。にきびがまだ多数混在している場合はケミカルピーリングやレーザーで治療します。ホームケアとしてはアゼライン酸、アゼライン酸誘導体、ビタミンC、トラネキサム酸(自費)の外用液が有効です。

当院のにきび痕治療

ピコフラクショナルレーザー

当院のピコレーザーはシネロン・キャンデラ社のPicoWay®です。「ピコ」とはレーザーの照射時間(パルス幅)の単位のことで、これまでのレーザーに比べて短いため、周囲の組織への影響が少なく、治療効果が高いことが知られています。にきび痕に対しては、ピコフラクショナルレーザーを照射します。フラクショナルレーザーとは皮膚に穴をあけるレーザーです。ピコフラクショナルは皮膚の表面には穴をあけずに、皮膚の深さ0.5mmの部位に穴を開けます。その穴が閉じるときに皮膚が引き締められコラーゲンが増加してくるため、にきび痕が改善してきます。ピコレーザーは熱の発生が少ないため、皮膚へのダメージやかさぶたなどのダウンタイムが軽くなります。少し皮膚が赤くなるダウンタイムがあります。

YAGレーザー

赤いにきび跡や盛り上がったにきび痕に照射します。当院ではシネロン・キャンデラ社のGentleMax Pro®を使用しています。波長1,064nmのロングパルスYAGレーザーを1回程度照射します

フラクショナル炭酸ガスレーザー

フラクショナル炭酸ガスレーザー (CO2レーザー)は、にきび痕、毛穴の引きしめ、眼の周りの小じわの改善、妊娠線などの治療ができるレーザーです。当院ではシネロン・キャンデラ社のCO2RE®を使用しています。フラクショナルとは、皮膚に無数の小さな穴をあけることで、細胞の活性化やコラーゲンの増殖を促し、皮膚を引きしめる効果や、新しい皮膚に入れかえる効果があります。3日くらい浸出液が出て赤みと腫れがおきて、かさぶたになりますので約1週間くらいのダウンタイムがあります。また、炎症後色素沈着が起きますので、効果とダウンタイムを十分検討してから治療を受ける必要があります。赤くなったり、腫れたり、かさぶたになるのが嫌な方には向かない治療法ですが、効果は最も高い方法です。

トラネキサム酸ローション ビタミンCローション

当院のトラネキサム酸ローションは高濃度のトラネキサム酸を配合したローションです。トラネキサム酸は、プロスタグランジンやプラスミンを抑制し、炎症をおさえ美白効果や赤みに対する効果があります。

当院のビタミンCローションは、皮膚への浸透率が高く、安定性が高いローションです。添加物は一切含まれていません。色素沈着を改善するほか、にきびの減少、毛穴の開きを改善、皮脂の分泌を抑制します。

 

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、皮膚の角質を剥離し、新しい角質を再生させるもので、にきびや毛穴縮小など効果があります。当院ではサリチル酸マクロゴールという薬皮膚に塗布する治療を行っています。15以上の施術必要となることが多いです回数や効果に個人差があります。治療中ピリピリする程度の痛みが出ることがありますが、治療を受けた当日からお化粧することができます。

レーザー治療の流れ

受診・予約

レーザー治療は火曜日から金曜日の予約制とさせていただきます。問診と画像解析を行った後、予約をしていただき治療開始となります。

問診とカウンセリング

問診票にお困りのことを記入していただきます。問診票をもとに、症状に合わせた治療をご提案させていただきます。

画像解析

洗顔後に、画像解析装置により、しみ、しわ、赤みなどを評価します。客観的・経時的に観察することができるほか、目には見えないしみやしわなどを見つけることができます。また、治療によりどれくらい改善したかを客観的に評価することができます。

 

ひとりひとりにあわせた治療プログラム

画像解析により得られたデータと、皮膚の状態に合わせて最も適した治療法をご提案させていただき、お話会いの中で、治療プログラムをたてていきます。かさぶたなどのダウンタイムが少ない治療法や、少ない回数で治療する方法など、ひとりひとりのニーズに合わせた治療法をご案内いたします。

 

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