ほくろ

ほくろは皮膚科の教科書では色素性母斑と言われています。ほくろには、生まれつきのほくろと生後にできるほくろがあります。多くは褐色から黒色の丸いできものです。悪性のほくろもあり、日本人は足底や爪などにできることが多く、悪性黒色腫(メラノーマ)呼ばれています。

ほくろは、良性か悪性かを正確に診断することが大切です。

診断には、2種類の方法があります。

① ダーモスコピー

皮膚にゼリーを付けて10倍に拡大し、ほくろの色や形をみて診断します。これで診断がつく場合があります。

② 皮膚生検

ダーモスコピーでは診断が難しい場合や、悪性を疑う場合には、皮膚の一部を採取し、顕微鏡で調べます。検査結果が出るまでには約2週間かかります。

ほくろの治療法

①手術

②炭酸ガスレーザー

③ピコレーザー

④Qスイッチルビーレーザー

美容目的のほくろ治療は自費診療になります。

良性のほくろは当院で治療が可能です(受診後に施術日の予約が必要です)。部位や大きさにより治療方法は変わりますが、きれいに取れるベストの方法を相談して決めます。

手術や炭酸ガスレーザーでの治療は皮膚に傷をつける治療をしますので、皮膚に『きずあと』が残ります。何もなかったようにほくろが消えるわけではありませんので、それでもほくろがとりたい方が治療適応です。『きずあと』は主に3種類あります。➀赤いきずあと:これはほくろを切ったり縫ったりするのでできる傷です。炭酸ガスレーザーでとる場合にもできます。2~6か月くらいは赤い状態が続きます。個人差がありますが長く残る方もいます。②へこむきずあと:これはレーザーで削った後や縫合しない場合にできることがあります。③盛り上がるきずあと:体質にもよりますが、ほくろをとった傷が盛り上がることがあります。数か月で改善する場合もありますが、続く場合は何らかの治療が必要になります。この3つの『きずあと』ができる可能性がありますので、ほくろの治療の際には、この点を十分考えておくことが必要です。

また、きずあとのことを考えた場合、ほくろを完全に取ることを目標とするのではなくできるだけ小さく取って、再発したら小さいうち再度とることもお勧めします。(再発時は小さいうちならレーザーでとることもできます。)

 
部位によってはあまり見た目の結果が良くないことがあります。例えば、鼻背、下顎、頬部、額は皮膚がつっぱっているので、きずあとが目立つ傾向があります。また、鼻尖、鼻下、白唇、下顎、頬、外眼角部などもきずあとが目立ちやすい部位です。
 
もちろんきれいに取れて、きずあとが殆どわからなくなるかたもいます。体質やほくろの部位、大きさ、術後のケアなどにより治り方が全く異なります。

当院では手術以外の方法で治療も可能です。ほくろの種類によっては炭酸ガスレーザーやピコレーザー、Qスイッチルビーレーザーによる治療も可能なことがあります(自費診療です)。炭酸ガスレーザーは、ほくろの部分をレーザーで削っていきます。穴が開いた状態になりますが、軟膏やテープで1週間ほど保護していただきますと穴はふさがってきます。ほくろの大きさより広めに削ることが必要です。ピコレーザーは、盛り上がらないほくろに対する治療として有効です。皮膚を削ったりすることはありませんが、かさぶたができます。傷あとを残したくない場合は選択肢の一つになりますが、通常は月1回、3~10回程度の照射が必要です。ピコレーザーによる治療はほくろを少しでも薄く、あるいは小さくなればいいと思うかたの治療ですので、100%とることを希望されるかたには向きません。もちろん、きれいに取れることもあります。傷を残したくない場合はよい治療ですのでたくさんのほくろを取りたい場合や大きめのを何とかしたいときにはよい治療です。      

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